実は最強のコスパ服!?長くオシャレに着続けられる着物の魅力

 “着物は高級品というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
確かに1着数十万円以上する高級な着物もありますが、実は着物はかなり使い勝手がよく、場合によっては洋服を上回るコスパを発揮するんです!

 

長く手軽に楽しめる!着物のコスパがいい理由とは

なぜ着物はコスパがいいのか、理由として主に

流行に左右されない形と柄
お手入れの手軽さ
着ていけるシーンの豊富さが

が挙げられます。 

 

流行に左右されない形と柄

 

着物には、振袖や訪問着、小紋、紬など色々な種類があり素材もさまざまですが、形はどれもほぼ一緒。洋服のように立体的な仕立てではなく、直線裁断による平面的な衣服になっているので、洋服は自分の体型にあったものを着用しますが、着物は逆に自分の体型にあわせて着付けることができるのです。


着付け方次第で雰囲気を変えられる上、一度ほどいて仕立て直せば寸法の調整も可能。体型や年齢を問わず長く着続けることができるのが、着物の最大の魅力とも言えます。


また、着物の柄には古典からモダンまでさまざまなものがありますが、洋服ほどめまぐるしいトレンドの変化がありません。そのため、コーディネートを工夫すれば何十年経っても古臭さを感じさせず、自分好みのオシャレを楽しむことができるのです。


さらに、着物は正しい方法でお手入れ・保管しておけば100年持つといわれています。実際に、今出回っているアンティーク着物は主に明治~昭和初期に作られたもので、物によっては今でも着用可能。現代ではあまり見られない色柄が多く、着物ファンからも人気の高いジャンルになっています。

 

洗える着物ならお手入れが簡単

着物の主な素材といえば、絹。
水や湿気に弱いデリケートな素材のため、洗濯する際は専門のクリーニング業者に依頼しなくてはならないなど、何かとメンテナンスに手間がかかります。


しかし、着物には絹以外にポリエステルなどの化学繊維、いわゆる化繊で作られている着物も種類豊富に出回っています。絹の着物より低価格で購入できる上、シワになりにくく、自宅の洗濯機で丸洗い可能な点がメリット。手軽に着ることができる洗える着物として、着物の扱いに慣れていない初心者の方はもちろん、着物好きの方の間でも広く愛用されています。


一方で、従来の化繊の着物は通気性の悪さが懸念されていましたが、近年は絹と遜色のない快適な着心地のものも登場しています。代表的なものが、東レ株式会社が作った高級シルク調の繊維「東レシルック」。
絹のようになめらかな着心地と、体のラインに沿う適度な落ち感が特長です。

 

東レシルックの反物

さらに、化繊の着物は収納面でも優秀さを発揮。絹の着物の場合は湿気がたまらないよう、通気性を意識した保管環境を整える必要がありますが、化繊の着物は洋服と同じように衣装ケースなどに入れて保管することができます。


洗える着物には化繊のほか、木綿や麻などの自然素材のものもあるので、着ていくシーンや着心地の好みによって選んでみるとよいでしょう。

 

着ていけるシーンが豊富

着物を着るとなると、結婚式や成人式、パーティーなどフォーマルシーンをイメージする方が多いかもしれませんが、TPOさえしっかりわきまえていればもっと幅広いシーンで着用することができます。


着物には大きく分けてフォーマルとカジュアルがあります。 

 

ざっくり分けると、
振袖や留袖、訪問着、附下はフォーマル・セミフォーマル向け、
色無地や小紋は紋の有無や柄によってセミフォーマルからカジュアルまで着用可、
そして紬やウール、木綿の着物、浴衣はカジュアル向けです。


フォーマル・セミフォーマルの場合は着ていくシーンが限られますが、カジュアルの場合は基本的にどこに着て行ってもOK
一人での気軽なショッピング、友人とのランチ、美術館巡り、映画鑑賞のほか、
SNS上では焼き鳥屋や焼き肉屋をはじめとする酒場巡りをしたり、野球観戦やライブ会場に推しを意識したコーデで参加したりなど、普段着物では行くイメージのない場所へのお出かけを楽しんでいる着物女子たちも見受けられます。

 着物は帯や小物を変えるだけで雰囲気をがらりとチェンジできるので、着ていく場所やその日気分に合わせて自由にコーディネートを楽しめます。

 【カジュアル向け】着物を着ていくおすすめの場所&コーディネート5選

 

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▼プロフィール
執筆者:さない ちえ
カジュアル着物愛好家 &フリーランスライター。着物ムック本の編集・ライターやリサイクル着物店の店長などを経験。「着物をもっとオシャレにもっとカジュアルに楽しもう」をテーマに、普段着としての着物を楽しむアイディアや日常をSNS等で発信する傍ら、WEB媒体を中心に着物・日本文化関連のコンテンツ制作も行っています。

▼リンク
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