カジュアル向けの着物をさらにコスパよく着回すコツとは
トレンドに大きく左右されることなく、幅広いシーンで手軽に楽しむことができる着物。
今回はカジュアル向けの着物にフォーカスし、コスパよくオシャレに着回すコーディネートのコツをご紹介します。
帯は1本で2倍楽しめるコスパ抜群の半幅帯を活用!
着物と同様、帯も和装の主軸となる重要なアイテム。着物の帯の定番と言えば、名古屋帯や袋帯ですが、カジュアルであれば半幅帯もおすすめです。
浴衣の帯としてもおなじみの半幅帯は、比較的手ごろな価格で購入できる上、リバーシブルタイプになっているものが多く、1本で2倍のコーディネートを楽しむことが可能。お太鼓結びより帯結びに必要な道具も少ないので、時短で着付けを済ませたいときにもぴったりです。
また、結び方のバリエーションも豊富なので、その日の気分や着物の雰囲気にあわせて自由自在にアレンジできます。
小物でコーディネートに差をつける
コーディネートのバリエーションを増やし、コスパよく着物を着回すなら、半衿や帯締め、帯揚げ、帯留といった和装小物も外せません。
コーディネートにさり気なく華を添える脇役であるものの、組み合わせを変えるだけで印象チェンジも思いのまま。着物や帯よりも安い値段で買いそろえられるところもメリットです。
特に半衿は顔周りにあるため、見た目印象を大きく左右します。ベーシックな白半衿はどんなコーディネートにもマッチしやすいので、初心者の方におすすめ。着物に着慣れてきて、より上級者感のあるオシャレに挑戦したいときは、ぜひ柄半衿や色半衿を試してみるとよいでしょう。
帯締めや帯揚げは、お太鼓結びに必要な道具であると同時に、コーディネートのアクセントになるアイテム。
半幅帯の場合は基本的に必須ではありませんが、プラスすることでコーディネートにメリハリが出るので、飾りとして取り入れている方も多いです。
また、帯締めの中でも三分紐のような幅の狭い平組のものは、帯留めをつけることができます。
帯留は、素材や色、デザインが豊富で、もっともオシャレさや遊び心を表現できるパーツ。桜の季節なら桜モチーフのものを、夏なら金魚モチーフや透け感のあるガラス製のものを、冬は雪やクリスマスモチーフのものなど、コーディネートにテーマやストーリーを持たせられます。
コスパよくオシャレ上級者を目指せる和洋折衷コーデ
カジュアルであれば、洋服と着物をミックスする方法もおすすめ。手持ちの洋服と組み合わせるだけでOKなので、新たなアイテムを買い足すことなくコーディネートのバリエーションを増やすことができます。
王道なのは、襦袢の代わりにシャツやハイネックニット、パーカーなどのトップスなどをあわせる方法。
足元も草履ではなくパンプスやブーツ、スニーカーでもOKなので、より手軽に楽しむことができます。
着物5日間着回しコーデまとめ
最後に、1枚の着物で5日分の着回しコーデをご紹介します。
今回の主役は、紬風のポリエステル着物。
こちらの着物に帯を2本、帯締め3本、半衿2本、帯留2個を使ってコーディネートしてみました。
Day.1
衿元に目を惹く赤の半衿をプラスして、メリハリのあるコーディネートに。
Day.2
1日目のコーディネートの配色を反対にチェンジ。
衿元ではなくウエスト部分にアクセントが来るので、配色は同じでも少し違った印象になります。
Day.3
着物と同じ寒色系のグリーンのパーカーをあわせた和洋折衷コーデで、オシャレにカジュアルダウン。
Day.4
ベーシックな名古屋帯をあわせて、カジュアル感は残しながらもきちんと感のあるコーディネートに。
Day.5
透け感のあるシースルーブラウスとネックレスをあわせてちょっぴり華やかに。
ベレー帽などの小物をあわせれば、よりこなれ感がアップします。
コスパよくもっとオシャレに着物を楽しもう!
トレンドや体型、年齢にとらわれることなくシームレスなオシャレが楽しめるコスパ抜群の着物。衣服を無駄にすることなく長く着続けられるので、サステナブルファッションとしても活躍してくれます。
「着物を着たいけど、お金や手間がかかりそう…」と思い踏み切れていなかった方は、この機会にぜひ着物デビューを果たしてみてはいかがでしょうか?
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▼プロフィール
執筆者:さない ちえ
カジュアル着物愛好家 &フリーランスライター。着物ムック本の編集・ライターやリサイクル着物店の店長などを経験。「着物をもっとオシャレにもっとカジュアルに楽しもう」をテーマに、普段着としての着物を楽しむアイディアや日常をSNS等で発信する傍ら、WEB媒体を中心に着物・日本文化関連のコンテンツ制作も行っています。
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