着物でQOLを上げる!“着物のある生活”を始める6つのメリット

寒さが和らいで心地よい暖かさが広がり、ポジティブな気分に包まれる春。新年度がスタートする季節ということもあり、何か新しいことに挑戦したいという方も多いのではないでしょうか?そんなあなたにおすすめしたいのが着物です。

 一見ハードルが高そうに思えるかもしれませんが、実は意外と簡単に始められるのがいいところ。
しかも、近年重視されているQOL(クオリティ・オブ・ライフ / 生活の質)の向上にも一役買ってくれるんです。

今回は“着物のある生活”を始める具体的なメリットをご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください!

 

着物のハードルは意外と低い?

 

「着物に興味はあるけれど、なかなか一歩を踏み出せない…」という方の理由として多いのが、次の3つです。

・お金がかかりそう
・お手入れが大変そう
・着付けが難しそう

 

確かに何十万円もする高額なものもありますし、着物の主な素材である正絹は非常にデリケートなので丁寧に扱わなければなりません。また、着付けも洋服を着るより手間がかかります。

けれども、中には普段着としてカジュアルに楽しめる着物や着付けアレンジもあるんです。

例えば、洗える着物。ポリエステルをはじめとする化繊(化学繊維)や木綿などの素材があり、安いものであれば1万円以下から購入できます。

 

自宅の洗濯機で洗うことができるので、お手入れも楽々。保管する際も正絹のような念入りな湿気対策は不要なので、洋服と同じように収納できます。

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また、着物の最大の難所ともいえる着付けも、カジュアルシーンで着る場合は必ずしも完璧に着付ける必要はありません。

着付け教室に通って学ぶのはもちろんですが、今はYou Tubeなど着付けのHOW TOを紹介したコンテンツがたくさんあるので、ある程度の着付けは独学でも習得できるでしょう。
着付けの道具や手間をなるべく減らしたいという方は、洋服とミックスさせた和洋折衷な着付けで楽しむのもおすすめです。

 

着物のある生活を送るメリット

カジュアルシーンで着るのであればグッとハードルが下がり、誰でも簡単に始められる着物。

では、“着物のある生活”を始めるとどのようなメリットがあるのか、具体的にみていきましょう!

 

美しい所作が身につく

着物は、洋服とは構造が異なるため所作も変わります。

物を取ろうと手を伸ばせば袂が引っかかることもありますし、階段を上る時に裾がはだけてしまったり裾を踏んでしまったりすることもあります。そのため何か動作を起こすときは袂や裾を抑えるなど、洋服だと気に留めない所作も意識することが必要です。

慣れないうちはぎこちなくなってしまうところもありますが、美しく丁寧な所作が身につくと周りに好印象を与えられるのはもちろん、自分自身の心まで整うような感覚になれるでしょう。

 

着物の歴史や伝統文化への知識が深まる

着物に限らず、伝統衣装はそれぞれの国や地域ならではの気候、環境、歴史、慣習などが複合的に作用して生まれたもの。

着物そのものの成り立ちや模様の意味を知ったり、着物の繊細な色柄を生み出している職人の伝統技術などに触れたりすることで、歴史や文化により興味を持つことができ日本の新たな魅力に出会うきっかけになるでしょう。

 

気分転換ができる

スーツを着ると気持ちが引き締まったり、制服を着ると勉強や仕事モードになったりと、服装が変わると気分も変化するもの。外見と内面はリンクしている部分があるので、服装を変えることで気分転換に繋げることができます。

例えば、「仕事は洋服でプライベートは着物」という風にシーンに応じて使い分けると、服装が生活モードを切り替える手段に。日々の過ごし方にメリハリを出しやすくなるとともに、新たな自分に出会えるきっかけにもなるでしょう。

 

オシャレの幅が広がる

ワードローブに洋服だけでなく着物も加わることで、オシャレのバリエーションがより豊富に。着物は洋服のように他の人と被ることが少なく、トレンドにも左右されないため、より自分らしいコーディネートを楽しむこともできるでしょう。


また、着ている人自体が少ないため、着るだけで注目されることも。周りの視線が集まることで、よりオシャレすることへの意欲を後押ししてくれるかもしれません。

 

サステナブルに配慮した衣生活を送ることができる

着物は直線裁断のみで作られたシンプルな構造。洋服のように自分のサイズにぴったりあったものを着るのではなく体型にフィットするように着付けられる上、サイズがあわなくなっても一度ほどいて仕立て直せば長く着続けることが可能です。

着物としては着れないほど着古しても、ほどけば一枚の布になるので、バッグや小物などのリメイクに活用でき、SDGsにも貢献。無駄なく使い続けられる着物は、まさに究極のサステナブルファッションといえます。

 

仕事に繋がる可能性がある

着付けは、単に趣味として楽しむだけでなく仕事に繋がるスキルになります。

極めれば、成人式や卒業式、七五三など人の着付けを請け負ったりサポートしたりすることができ、また年齢問わず続けやすいため、手に職をつけたい方にもおすすめです。

 

着物を着て行く場所とは?

着物は、成人式や結婚式などフォーマルな場はもちろん、カジュアルな場でも活躍。茶道や華道など和のお稽古から、観劇、美術館鑑賞、友人との気軽なお出かけなど、幅広いシーンで着ることができます。

着物には、フォーマル向けのものとカジュアル向けのものがあるため、TPOさえ気をつければ、あとは自由。一緒に出掛ける相手や着て行くシーンに応じた着物選びやコーディネートで、着物生活を楽しんでみましょう。

参考コラム
【カジュアル向け】着物を着て行くおすすめの場所&コーディネート5選>>

 

着物を取り入れた丁寧な暮らしでQOL向上を

着物は、正直洋服より着るのに手間がかかりますし、必ずしも生活に必要なものではないかもしれません。必要最低限の衣服でよければ洋服で十分でしょう。

けれども、少しだけ手間をかけてみたりいつもと違うものを身にまとったりすることで、日々の生活と心に心地よい刺激と彩りを与えることができます。

何でも時短で便利に済ませられる時代。だからこそ着物は丁寧に過ごす時間を設けて心にゆとりを与え、より充実感のある日常に繋げるきっかけになるはずです。

 

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▼プロフィール
執筆者:さない ちえ
カジュアル着物愛好家 &フリーランスライター。着物ムック本の編集・ライターやリサイクル着物店の店長などを経験。「着物をもっとオシャレにもっとカジュアルに楽しもう」をテーマに、普段着としての着物を楽しむアイディアや日常をSNS等で発信する傍ら、WEB媒体を中心に着物・日本文化関連のコンテンツ制作も行っています。

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