なごや帯の歴史や格、着ていけるシーンとは?袋帯との違いや結び方の種類もご紹介♪

カジュアル向けの帯の定番・なごや帯の特長や歴史、格などの基礎知識を徹底解説!「なごや帯って聞いたことはあるけどよくわからない」「なごや帯はどの着物に合わせるべき?」「なごや帯と袋帯の違いって?」など、なごや帯に疑問を抱える着物初心者の方はぜひチェックを!

 

なごや帯とは

なごや帯はカジュアル向けの定番帯。まずはなごや帯の歴史や基本的な着用シーンなどについておさらいしておきましょう。

 

【なごや帯の歴史】働く女子のために生まれた帯

なごや帯の歴史は意外と浅く、誕生したのは大正~昭和初期頃。名古屋女学校(現:名古屋女子大学)を創立した越原春子氏が考案したといわれています。

 
『少女画報1930年(昭和5年)8月号』 / 菊陽町図書館

当時主流だった丸帯や昼夜帯と呼ばれるものはなごや帯2本分の厚みと重量があり、非常に結ぶのに手間がかかるものでした。この頃の日本はちょうど女性の社会進出が盛んになってきた頃で越原氏自身も学園の開設に奔走していたため、多忙な女性でも扱いやすいよう、時短で締められ、かつ動きやすい軽量の帯を考案。それが名古屋呉服店(現:名古屋三越)の小澤義男氏の目に留まり、“なごや帯”と命名して市販を始めたことで、広く普及するようになったそうです。
※参考:学校法人 越原学園HP

 

なごや帯の格とシーン

なごや帯は、基本的にカジュアル向けの帯
結婚式や入卒式、七五三などフォーマルな場ではなく、普段の装いにあわせるものです。

具体的ななごや帯の着用シーンは、帯の色柄や同席する相手にもよりますが、だいたい以下が目安になります。

※参照:参照:『着物のイロハ事典』

なごや帯には大きく分けて「九寸なごや帯」と「八寸なごや帯」があります。

九寸なごや帯は、仕立てる前の帯幅が九寸(35cm前後)になっているもので、両端を折り曲げて八寸幅(約30cm)にして芯を入れて仕立てているのが特長。
伝統的な古典柄や季節を感じさせる草花がデザインされたものが多く見られます。
生地によっても雰囲気が変わり、暖かみのあるふっくらとした縮緬地のものは袷の時季に、さらりとした塩瀬地のものは単衣の時季におすすめです。

一方の八寸なごや帯は、もとから八寸幅に織られており、端をかがって芯をいれずに仕立てているもの。
九寸なごや帯よりもラフな雰囲気のものが多く、よりカジュアルに楽しめます。

このようにカジュアルな装いに華を添えるなごや帯ですが、豪華な唐織(からおり)や金糸銀糸を使用した綴織り(つづれおり)など一部の格の高いなごや帯は、セミフォーマルでも着用可能です。

 

なごや帯にあわせる着物

なごや帯はカジュアル向けの帯のため、着物もカジュアル向けのものに合わせます。

例えば、上品な印象の九寸なごや帯には色無地や江戸小紋、古典柄の小紋を、
カジュアルな雰囲気の八寸なごや帯にはモダンな柄の小紋や紬、木綿の着物をあわせるなど、色柄や生地の風合いにあわせて組み合わせてみるとよいでしょう。

 

なごや帯の特長

なごや帯は長さが3m60cmほど。お太鼓結びをすると一重太鼓になるのが特長です。

柄の付き方には、「全通柄」「六通柄」「お太鼓柄」の3種類があります。全通柄は帯のテ先からタレ先まで全部に柄が入っているもの、六通柄は全通柄の簡略版で、帯を結んだ時に胴回りに来る部分に柄が入っていないもの、そしてお太鼓柄は結んだときに帯前とお太鼓部分のみに柄がくるようになっているもののことを指します。

 

さらに、なごや帯には仕立て方にもバリエーションがあります。

 

開き仕立て」は、テからタレまでが一定の幅のもの。「開きなごや」とも呼ばれており、胴回りの帯幅やテ先の幅を自由に変えられる点が特長ですので背の高い方や結び慣れた方向きと言えます。

 

なごや仕立て」はテ先から胴に巻く部分までが半分に縫われたもの。帯幅が固定されているので、初心者の方や小柄な方には結びやすい帯です。

 

松葉仕立て」は、八寸なごや帯に多く見られるもので、手先のみが半分に縫われているため結びやすさもあり、開き仕立てと同様に胴回りの帯幅を体型や好みによって変えることができるため、オススメするお店も多いようです。
※KAERUWA商品はこの仕立て方です。

「kaeruwa」の帯一覧をチェック>>

 

なごや帯と袋帯の違いとは?

 

袋帯となごや帯の大きな違いは長さ。

なごや帯が3m60cmほどなのに対し、袋帯は4m20~50cmほど。お太鼓結びをすると二重太鼓になります。袋帯は主にフォーマル向けのもので、二重太鼓には“慶事が重なるように”という意味が込められています。そのため、金糸銀糸があしらわれた華やかなものが多く、価格もなごや帯より比較的高めです。

中には金糸銀糸が使われていない洒落袋帯と呼ばれるものもあり、こちらは二重太鼓を結べる長さはあるものの、格としてはなごや帯と同等になります。

 

結び方で後ろ姿に差をつける!なごや帯アレンジ3選

最後に、なごや帯の結び方を3つご紹介します。気になるものはぜひチェックして、その日の気分や着て行くシーンに応じて楽しんでみてください♪

 

【お太鼓結び】幅広いシーンで使える王道

なごや帯の定番。すっきりとした印象になり、セミフォーマルからカジュアルまで幅広く使えるので、初心者の方はまず押さえておきたい結び方です。

 

【銀座結び】ちょっぴり粋にこなれ感を

銀座結びは、江戸時代から結ばれている「角出し」と呼ばれる帯結びから派生したもので、お太鼓の下側をふっくらとさせた形が特長。帯枕を使わない簡易的な結び方のためフォーマルには不向きですが、お太鼓結びよりラフな雰囲気を楽しむことができます。

 

【猫耳結び】キュートな猫耳でみんなの視線を釘付けに

さり気なく遊び心のある帯結びを楽しみたいという方におすすめの結び方。
銀座結びを応用したもので、帯のテの部分を耳に見立てて猫の顔のようなお太鼓を表現しています。猫好きの方はぜひお試しを!

 

なごや帯を使いこなしてカジュアル着物を楽しもう!

豊富な色柄と素材で、カジュアルはもちろんものによってはセミフォーマルまで活躍してくれるなごや帯。

結び方をアレンジするだけでも印象をさり気なく変えることができるので、ぜひ今回ご紹介した内容を参考に、なごや帯を取り入れたオシャレを楽しんでみてくださいね。

 

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▼プロフィール
執筆者:さない ちえ
カジュアル着物愛好家 &フリーランスライター。着物ムック本の編集・ライターやリサイクル着物店の店長などを経験。「着物をもっとオシャレにもっとカジュアルに楽しもう」をテーマに、普段着としての着物を楽しむアイディアや日常をSNS等で発信する傍ら、WEB媒体を中心に着物・日本文化関連のコンテンツ制作も行っています。

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