正絹の着物を濡らしたくないという理由から、雨の日は着物を敬遠しがち…という方も少なくないのでは?そんな方のために、今回は雨の日に着物を楽しむコツをご紹介します。
雨の日の便利アイテムや、お出かけのときに気をつけるポイントなどをまとめました!
雨の日の着物におすすめのアイテム5選
主に以下のアイテムをそろえておくと、雨の日でも着物でお出かけしやすくなります。
□雨コート
□雨草履
□足袋カバー
□替えの足袋
□大きめの傘
それぞれの特徴を詳しくチェックしていきましょう!
雨コートは一部式と二部式の2種類がある!
一部式コート(オーダープレタ雨コート お仕立て上がり 飛び柄 竜胆色)
雨の日のアイテムの中でもっとも定番なのが雨コート。一部式と二部式の2種類があり、好みにあわせて選ぶことができます。
一部式は足元まですっぽり隠れるロング丈の雨コート。一枚羽織るだけでしっかり着物を雨から守ることができます。ただし、丈があっていないと裾が濡れたり歩きにくさを感じたりしてしまうため、反物から仕立てる場合は自分の身長にあわせて採寸し、既製品を選ぶ際もサイズに注意し
て購入しましょう。ちなみに、丈の目安は、着物の裾が隠れるくるぶしからかかとあたりまでです。
一方の二部式は、上下が分かれたタイプの雨コート。一部式より多少着る手間はかかりますが、身長にあわせて着丈を自由に調整することが可能。上着のみ着用すればコートタイプの塵除けにもなり、フレキシブルに使い回せる点も魅力です。
足元は雨草履で防水を

雨用の履物としてメジャーなのが、つま先部分にカバーがついた雨草履。雨や汚れを防ぐのはもちろん、寒い時期であれば防寒にもなります。
ただし、このカバーは外すことができないため、フォーマルシーンでは不釣り合いに見えることも。そんなときは、別で通常の草履を持参して履き替えるのが無難です。
もし替えの草履を持って行くのが面倒な場合は、ウレタンなど晴雨兼用の草履を使うのもおすすめ。底全体にゴムを張って防水してあるので、雨の日でも気兼ねなく履くことができます。雨が強い時は、草履の上から被せて使用するビニール製の草履カバーと併用するとよいでしょう。
撥水加工の足袋カバー&替えの足袋で万全の雨対策

足袋カバーとは、足袋の上から履くナイロンなどで作られたカバーのこと。足袋と同じ形をしているので、見た目を損なうことなく防水できる優れものです。室内にあがるときは、足袋カバーを履いたままだと床が濡れてしまうため、草履を脱ぐときに一緒に外しておきましょう。急な雨降りに備えて、1セットをバッグに常備しておくこともおすすめです。
この足袋カバーに雨草履を組み合わせればかなり雨を防ぐことができますが、もちろん完全防水ではありません。多少汚れてしまう可能性があるため、あわせて替えの足袋も用意しておくと安心です。
傘は大きめサイズの傘を用意

正絹の着物や帯は、雨に濡れると縮みやシミなどのダメージを受けるおそれがあるので、傘はいつもより大きめのものを選ぶのがおすすめ。和傘などクラシカルなデザインのアイテムを選ぶことで、雨の日だからこそ楽しめる着物ならではの装いが引き立ちます。
雨の日は雨コートや雨草履がないとNG?

「雨の日でももっと気軽に着物が着たい」「わざわざ雨コートや雨草履を買いそろえるのは面倒…」という方は、濡れてもOKな着物や帯を選ぶという方法も!
ポリエステルなどの化学繊維で作られたものなら水に強いため、雨コートなしで着用してもOK。
足元は草履ではなくレインブーツなどをあわせれば、雨コートや雨草履なしでもしっかり雨対策ができます。カジュアルシーンであれば、普段より少し短め(2~3cmほど)に着付ける方法もおすすめ。レインブーツを履く場合は、さらに短く着付けてワンピース感覚で楽しむのもよいでしょう。
TPOにあわせて取り入れてみれくださいね。
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雨の日のお出かけで気をつけるポイント
最後に、雨の日の着物をより快適に楽しむために気をつけておきたいポイントを2つご紹介します。
クリップで裾上げする

雨コートを着ていても、地面からの水や泥の跳ね返りで着物の裾が汚れてしまうことがあります。そのため、着物の裾を帯のあたりまで上げてクリップで留めておくと安心です。上から雨コートを羽織れば裾をまくった部分は見えません。
着物が汚れてしまった時の正しい対処法
しっかり雨対策をしていても、不意に雨水や泥がついてしまう可能性があります。正絹の着物が万が一汚れてしまった場合は、速やかに悉皆屋(しっかいや)など着物専門のクリーニング店に相談し、適切に対処するようにしましょう。
洗える着物の場合は、基本的に自宅で洗ってOK。キレイにたたんでネットに入れ、洗濯機のおしゃれ着コース(ドライコース)でやさしく洗います。生地を傷めないよう、洗剤もオシャレ着用のものを。洗った後は着物ハンガーにかけ、直射日光の当たらない風通しのよい場所で陰干ししましょう。
しっかり対策して、雨の日も着物でお出かけを!
雨コートや雨草履といった防水アイテムを取り入れたり、水に強い素材の着物を選んだりすることで、雨の日の和装がもっと楽しくなるはず。
今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ着物でのお出かけシーンを増やしてみてください!
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▼プロフィール
執筆者:さない ちえ
カジュアル着物愛好家 &フリーランスライター。着物ムック本の編集・ライターやリサイクル着物店の店長などを経験。「着物をもっとオシャレにもっとカジュアルに楽しもう」をテーマに、普段着としての着物を楽しむアイディアや日常をSNS等で発信する傍ら、WEB媒体を中心に着物・日本文化関連のコンテンツ制作も行っています。
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